ゼロから始めるシルクペインティング。

こんにちは!

シルクペインティング作家の太田久代です。

シルクペインティングという技法は

基本的には、
日本の手描き友禅と同じで、

シルクに直接絵を描きます。

複雑な工程を経ることなく
水彩画のように自由に描くことができるので

これから絵を始めたい方や、絵心がないと思っていた方、
今までに他の技法で挫折してしまった方などにとって

誰にでも始めやすいお勧めの技法です。

鮮やかな色で、
様々なテクニックを使って
魅力的なアートを完成させることが可能です。

国内では、シルクペインティングの画材を購入できるところは限られているので、
まだ画材の準備がない方にもイメージして頂けるように、
ここでは簡単に説明します。

シルクへの描き方や、テクニックについてなどは別の記事で、さらに詳しく説明していきます。

目次

1.シルクペインティングを始める前に必要な画材などは?

2.シルクペインティングで描くための下絵を用意します。

3.シルクに下絵の線を描きます。慣れるまでは少し時間がかかるかもしれません。 

4.シルクペインティングの彩色のパートは一番楽しいクライマックスの部分です。 

5.シルクペインティングの作品が完成したらやるべき事は?

6.まとめ

1.シルクペインティングを始める前に必要な画材などは?

シルクペインティングを始めるのに、広い場所は必要ありません。
食卓のテーブルの上や、いつも勉強をする机やテーブルで、筆や絵の具を置けるスペースがあれば大丈夫です。

シルクに描くための絵の具としては、染料とペイントの2っの種類がありますが、ここでは、色止めをアイロンでできるペイントを使う方法での描き方を解説していきます。

以下は必要なもののリストです。

●シルクの布
日本では、シルクペインティング用の値段の安いシルクを手に入れるのは難しいです。
こういったシルクは主に中国製のものです。

●布用、特にシルクに適した絵の具
シルクペインティング用の絵の具は海外では様々なメーカーが販売していますが、日本で購入できる主なメーカーはフランスのぺべオ(PEBEO)社です。

もちろん国内でも布用の絵の具はありますが、ぺべオ社のペイントは色がとてもきれいで、特にシルクペインティング用として販売されているのでオススメです。

●GUTTA (グッタ)と呼ばれる糊状の液体
 シルクの布に描くということは、滲みますね。

 色が流れていかないように防波堤の役目をするのがこの液体です。ぺべオ社のものはこのようなチューブに入っています。 少し粘着性があり、ゴールドや黒、その他の色付きのものと透明のものがあります。

●筆

筆は、このシルク用のペイントを使う場合は、筆にペイントが残ったりしやすいので、小学生用の安価な筆などが使いやすいです。できれば、細い筆と、それより少し太め、そして太い筆の3種類があるといいです。

●シルクを貼る枠                               
シルクに描くには、紙の上にシルクを置いて描けないこともありませんが、少しテーブルから浮かした状態の方がストレスなく作業ができます。

そのために枠にシルクを張って浮かせた状態で描くのですが、慣れるまでは、刺繍枠を使うと場所も取らないし、練習にも最適です。
直系20~25cmくらいがいいかと思いますが、とりあえず試してみるなら、少し小さいですが100均の15cmの刺繍枠でも大丈夫です。

●使い捨てのプラスティックのパレット
この技法で使うペイントは、パレットに出してそのままにしておくと固まってしまって、水で洗っても、時間がたつときれいに落とすことができないので、100均の使い捨てのパレットが最適です。

●筆洗やプラスティックの水を入れる容器
筆を洗ったり、色を薄めたりする場合に必要です。私は何個かのプラスティックのカップを使っています。

●キッチンペーパーやシルクの端切れなど
筆を拭いたり、色をチェックしたり、筆に含ませる
水の量を調節するのに使います。

●ドライヤー
グッタやペイントを
乾かす時に使います。また、ボカシなどをする時に水分を調節したりします。

●アイロン
完成後、色止めをするのに必要です。

以上が準備するものです。これらのものを揃えたら、
あなたの描きたいアイデア、イメージを線画にしたものが必要です。

2.シルクペインティングで描くための下絵を用意します。

初めてのシルクペインティングでは、あまり複雑ではない程度の下絵がいいでしょう。子供用の塗り絵なども練習にはいいですね。

もちろん、下絵を作らずに、いきなりシルクに思うがままに描くのもひとつの方法であり、表現は人それぞれですが、ここでは基本的な知識として説明します。

水彩画などの下絵と違う点は、塗り絵のように一つのパートを囲む線が全部つながるように描きます。線が途切れていると色を塗った時に、色が流れ出てしまいます。

下絵は、刺繍枠を使うならその大きさの紙に描いておきます。それをもとにシルクに同じ線を、あとでグッタで入れていきます。

下絵は、シルクを張った枠の下に置き、シルクを通してその線を写していくので
よく見えるように黒いマジックペンなどで描いておきます。 

3.シルクに下絵の線を描いていきます。慣れるまでは少し時間がかかるかもしれません。

よいよ、シルクに、グッタで下絵の線を入れていきます。チューブの先から少しづつグッタを絞り出しながら、線を描いていくのですが、慣れないうちは下絵を鉛筆でシルクに写しておくと描きやすいです。

慣れてくればシルクの上から下絵を見ながら線が描けるようになります。
描く前に、裏側から枠に沿ってグッタで線を入れておくと、枠の外へペイントが広がるのを防ぐことができます。

最初のうちは、線が細かったり、ブチュッとたくさん出しすぎて太くなったりしますが、チューブを押す力の入れ加減などがだんだんわかってくるので大丈夫です。

一番重要なのは、線が途切れていないことです。どこかで線が切れているとそこから色が流れ出てしまいます!

線画が完成したら、自然乾燥やドライヤーで乾かしておきます。

4.シルクペインティングの彩色のパートは、一番楽しい、クライマックスの部分です。

使う色をパレットに出して、シルクに描いた線の中に押さえるように置いてみると、色が広がって防波堤の線で止まります。
もし色が流れてしまったら、切れた線を修正しておきます。

ペイントを塗る時は、小さなパート以外は、常にその部分を水で濡らして乾かない状態で色を塗っていきます。
シルクが乾いていない状態ならボカシを作ったり、色を薄めたり、色を混ぜたり、色々なテクニックが使えます。

最初は、とにかく塗り絵のように好きなように塗ってみて下さい
コツは一つのパートを終えてから他の部分を塗ることです。
何度か描いていくと、水の分量や、力の入れ具合などがつかめてきます。
この、色を塗る工程が一番ワクワクする部分です!

シルクの上では、予想しないハプニングがたびたび起こりますので、線が切れていたことや、乾いてシミになったことなどは気にせず最後まで楽しんで作品を完成させてください!

5.シルクペインティングが完成したらやるべき事は?

初めての作品が完成し、しばらく眺めて、次にやることは、色止めです。
あまり作品のシルクを洗うことはないかもしれませんが、その時に
色が落ちることがありますので色止めは必要です。
色止めしたシルクは洗濯も、ドライクリーニングもOKです。

色止めは簡単。シルクはよく乾かしてから、裏からアイロンをかければOKです。

額に入れたい場合は、裏に紙や台紙を貼ってマットをつけて額に入れます。刺繍枠のまま飾る方法もありますね。

6.まとめ

簡単にシルクペインティングについて説明してきました。

に描くのとは少し感覚が違うので始めは戸惑いがあるかもしれませんが、続けていくと、この技法独特の表現の仕方、シルクならではのテクニックなど楽しめる要素がたくさんあります。

最初はなかなか思い通りにはいきませんが、あなたの知らない部分を引き出してくれることもあります。
最初の計画が、全く変わってしまったり、自分でコントロールする部分と、シルクにまかせる部分が融合してシルクとの共同作業で作品が生み出されるような感じです。
もし興味が沸いたらぜひやってみて下さい

 

シルクに何を描けばいいかわからないなら。

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シルクに描く2つの方法と画材

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プロフィール

 

 

 

初めまして。

 

シルクペインティングという技法で

 

絵を描いている太田久代です。

 

 

 

 

短大の英文学科卒業後は、

 

海外へのあこがれが強く

 

アルバイトをしながら

 

アメリカへの旅行や長期滞在を

 

繰り返していました。

 

 

 

この頃は、画家として仕事をするということは

 

想像したこともありませんでした。

 

 

 

ある時ニューカレドニアで

 

出会ったシルクペインティングに

 

魅せられ、

 

 

現地ホテルのアトリエで

 

インストラクターとして

 

仕事をしました。

 

 

帰国後はクラフトの分野で

 

シルクペインティングの制作を続けました。

 

 

 

そして

 

水彩色鉛筆をもらったのがきっかけで

 

旅行に行った南仏の風景を描いてみました。

 

 

その絵をシルクに描いてみたのが始まりで

 

写真を見ては絵にしていきました。

 

 

 

ある程度描きためたので

 

初めて個展を開くことにしました。

 

 

 

翌年、阪神淡路大震災の影響で

 

個展は延期になりましたが

 

付近にまだ瓦礫の山が残っているギャラリーで

 

無事行うことができました。

 

 

 

そしてその頃からクラフトよりも

 

絵画として作品を発表していきたい気持ちが

 

強くなりました。

 

 

 

その後大阪のギャラリーで

 

デビュー展をさせて頂き、

 

それ以来作家活動を続けています。

 

 

 

10年以上、南仏のアトリエで

 

作品の制作を続けながら、

 

主にデパートでの個展を開催してきました。

 

 

 

これから絵を始めたい人。

 

新しい趣味を持ちたい人。

 

自分も周りの人もハッピーにしたい人。

 

絵が好きな子供たち。

 

 

 

など、そんな方たちに

 

シルクに描く楽しさを

 

 知ってもらえたらうれしいです。

 

 

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