描きたいイメージを形にする下絵の準備は結構時間がかかって、早く色を塗りたいと思ったかもしれませんね。ここからは楽しみながら、色を塗っていきましょう。
使いたい色が決まっていたら、パレットに少しづつ出しておきます。使うペイントは、水で薄めたり、他の色と混ぜたりできます。
水を入れた容器も何個か用意しておきます。
シルクに色を塗る時は、水加減、力加減、スピードなどの違いがとても影響します。
ここでは、なるべく思い通りに塗るためのポイントを紹介します。
目次 |
●筆を押さえるように塗る。 ●シルクの面を濡らしながら塗る。 ●ひとつの面を塗り終えてから、他の面を塗る。 ●まとめ |
筆を押さえるように塗る。 |
色を塗る時は、画用紙などの紙の上とは少し違って、滲むということを常に意識して作業します。
適当な量のペイントを筆に取ったら、筆を押さえる感じで布に置くと、自然に広がるので、それをコントロールしながら塗ります。
まさにシルクとの共同作業です。そのため、塗る作業自体はそれ程時間がかかりませんが、塗る途中ではいろいろな予期しないことが起こります。
色を考えたり、失敗(ではありませんが)したと思って、違うやり方を考えたり、そういった点では、時間がかかるかもしれないですが、スピードも必要です。
のんびりしているとシルクの上では、どんどん変化していくのでけっこう集中力が要ります。
最初は塗り絵の要領で、絵も簡単なものから始めるのでそこまで心配せずに、まずは一つ一つの面を軽く押さえる感じで塗って感覚をつかんでください。
シルクの面を濡らしながら塗る。 |
シルクを塗っていく時は、その時の湿度などにもよりますが、塗った先から乾いていきます。
小さな面はそれほど問題ないですが、ペイントで塗る際、大きな面になってくると乾いた箇所はシミのようになってもう一度濡らしても、もう色が固まってしまっています。
もちろん、逆に乾くということを利用するテクニックもありですが。
水で濡らすだけでなく、ペイントの色で濡らして最初の色とうまく混ぜるのもおもしろいです。
とにかく乾かさないようにすれば、その中で色を混ぜtたり、ぼかしたりすることができます。
小さな面は、自然に色が広がって防波堤の線で止まりますが、水の量が多いと線を越えて隣のパートまで行ってしまいます。
その際は、水かアルコールを綿棒などにつけてこすると、直後なら薄くはなりますが、時間が経つと取れません。
こんな時は、よく似た色でごまかすか、同じ色を塗るなど臨機応変に考えましょう。
線を追加したり、形を変えたりして目立たなくします。
線を越えてしまったら、乾いてからもとの線をもう一度上から入れておくときれいに見えます。
ひとつの面を塗り終えてから、他の面を塗る。 |
色を塗る時は、常に乾かさないようにしながら塗ると塗りやすいのですが、途中まで塗り残して、他の面を塗るのはNGです。一つの面を完全に終えてから次の面に移りましょう。
そして大きな面、例えば最後にバックの色を塗る場合は、全体を先に濡らしておくと安心ですが、時間が経つと乾いてくるのでそこにも注意を払いながら端から順に進めると落ち着いて作業ができます。
もちろん、何本かの線で区切られていれば、一つづつ塗っていきます。
まとめ |
生徒さんの作品
ここまで、基本的な塗り方を紹介しましたが、それぞれの表現方法は全く自由ですし、ここで説明した描き方はルールではありません。
シルクや画材の特徴を知った上で描けば無駄な時間を使わず、その傾向をうまく利用してオリジナルなものを作れます。これはどんな画材にも当てはまりますね。
失敗!と思ったことも、ほとんどの場合新しい発見をしたり、自分なりの秘密?のテクニックを生み出したりすることにつながります。ひとつの箇所で、シミになったとか、色が流れたとかに、あまりこだわらず、全体を見てください!
上の作品は、ゴッホの有名な絵をアレンジして描いた生徒さんの作品ですが、細かいことにこだわらず、良い作品になっていると思います。
ちなみに、上のビデオは、ロングスカーフの制作過程の一部です。
出来上がりはこのように、簡単なモチーフの繰り返しですが、色や大きさを変えることで好みのデザインにアレンジできます。
色を塗るのに、良い練習にもなりますね。
シルクペインテングは、主に線と面で画面を作っていく基本的にはシンプルな技法ですが、その時々の環境や条件によってシルクの反応も違うので、自分でコントロールできる部分とそうでない部分があります。そんなことを楽しみながら、ぜひあなたしかできない作品にチャレンジしてください!
左から、ペイント(セタシルク)、水性グッタ(9色あり)です。
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